モンスター

見てきた。「モンスター」。Charliz Theron がアカデミー賞ゴールデングローブ賞でベストアクトリスとった映画。


Charliz Theronは、まだまだなとこもあった。けど、あすこまでくずれた様相を晒す根性はすごい。「サイダーハウスルール」などでの、清潔感があって端麗な印象が強かっただけに、この映画のために役を作り込んだことは知ってはいたものの、Charliz Theronがスクリーンに現れたとき、あまりの変わり様に目を疑った。その綺麗さを完全に崩してまで、この役に挑んだセロンに気迫を感じた。あ、気迫というか気負いすぎな感じが伝わってくるとこが時々あって、それでまだまだと思ってしまったのかな。。気負ってるのが演技なのかもしれないしな〜、人を信じられなくてつっぱってる感じが、力んだ演技に見えたのかも。

なんにせよ演技がどうというのを考えてさせてしまう時点でどっかおかしいのだとは思う。


映画自体の脚本は,あまり説得力がない。アイリーン(Charliz Theron)とセルビー(Christina Ricci)の行動の理由付けをもっと丁寧に見せるべきだと思う。特にセルビー。リッチがうまいのにもったいない。リッチは、セルビーの無意識な狡猾さをよく表現していたし、セルビーの境遇からいっても視線やしぐさなどを十分に研究したのだと思う。二人ともキャラ設定とそれをどう見せるかというのは、よく練られていた気がする。
ただストーリーで言うと、悪趣味なキスシーンなどはちょいけずってもいいからもっと二人の間の精神的なことを描ければ、愛(?)のためにさらに身を滅ぼしていくアイリーンの愚かさや、セルビーの無垢なずるさに説得力を持たせられたんじゃないかな。


作品全体を通して、痛々しさは伝わってきた。

もう一度見てみたい。もう一度見て、自分のこの批判的な感想がなお変わらないことを確かめたい。見終わったときの印象はここに書いてるほど悪くなかったのに変だなぁ…。


一緒にいったともだちがエンドロールの最後まで立たなかったのだけど、「え、そんな衝撃残す映画だったかい、これ?」とか思って、感性の違いをちょっと憂ってた。後で聞いたら、友達は途中で眠りに落ちていたようで、衝撃どころか流れがわからなかったっぽい。むしろ私に対して「席立たないな〜」と思ってたのかも。